3. 例題プログラムの説明と作成

3.1 例題でのシミュレーション条件

この工場は2工程3機械からなり、2種類の製品A、Bを製造している。投入されたオーダ(製品を作って欲しいという注文)は第1から第2までの作業を経て完成する。ただし、第2工程は2種類の機械(機械2と3)から構成されている。オーダは機械2、3のうちで作業順番待ちのオーダが少ない方に進むことになっている。製品が完成したら集計部門へ進み、必要な統計を取る。
各機械での作業順序はSPT(Shortest Processing Time)ルールを用いる。
なお、本実験ではオーダが機械の作業を待つ場所(バッファ)の容量は無制限と考え、工程での故障の発生は無く搬送時間は扱わないものとする。
この状況における製品A、Bの流れをモデルにして表すと、以下の図のようになる。



 各製品の初期時刻及び投入時間間隔(指数分布に従う)を表1に示した。
 各工程での処理時間は製品ごとに異なり、その処理時間を表2に示した。
 また、今回では、オーダに納期が付いているので、納期の設定も必要である。
*1納期
過去の実績から、納期とオーダの到着時刻との差である納期余裕の分布が分かっている。ここでオーダ毎の納期余裕を平均μ標準偏差σに従った値に設定し、それをもとに納期を設定する。納期は到着時刻と納期余裕の和である。
今回の納期余裕は平均μ=150、標準偏差=50の正規分布に従うこととする。

表1 各製品の投入の条件

 初期投入時刻(分) 

 投入時間間隔(分) 
指数分布に従う

 製品A 

0

12

 製品B 

0

12



表2 各工程での製品ごとの平均作業時間とそのバラツキ

機械

分布

 正規分布 

 正規分布 

 正規分布 

μ

σ

μ

σ

μ

σ

 製品A 

4

1

14

2

8

3

 製品B 

6

3

12

2

8

5



この状況について、シミュレーション時間10,000分でシミュレーションを行ない、以下について求めよ。なお、統計値はシミュレーション400分の時から集計せよ。
・生産量
・各工程の稼働率
・全製品のリードタイム(製品がラインに投入されてから完成してライン外に出るまでの時間)
・納期遅れオーダの納期遅れ度合(完成時刻と納期の時間値との差)のヒストグラム

3.2 例題プログラム作成手順

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