1.シミュレーション対象の概要
「生産シミュレーション」第2回では、以下の図に示すようなライン生産を行っている工場の1場面を取り挙げる。
この工場は、複数の処理工程(1工程に1機械)が直線的に並ぶフリーフローコンベアラインで構成され、このラインでいくつかの製品が製造される。このとき、各工程の前にはそれぞれ有限個のバッファが置かれるが、建屋スペースの面から全工程におけるバッファ数の合計があらかじめ決められている。
各工程のバッファが有限であるため、次工程にワークを進めるためには、次工程のバッファに空きがあるのを確認する必要がある。次工程のバッファに空きがないときには、空きができるまでそのワークは工程中に留まるので、その工程の稼動は止まる。
また、各工程での作業内容や作業時間は製品投入時に製品タイプに応じてワークに添付される作業表に記述されているものとする。
今回のシミュレーションでは、各工程に適切な数のバッファを割り振ることで、全生産量を増加させることが目的である。なお、工程間のコンベアによる搬送は高速であり、その移動時間は無視できる。
この生産ラインにおいて、2工程で2種類の製品が生産され、第1工程のバッファが3、第2工程のバッファが2の場合についてモデル化を行うと、以下の図のように表せる。
第一回でのモデル化した図(下図)と比較すると第二回でのシミュレーション対象は、
・多段階待ち行列
・有限バッファ
・Entityに複数の種類
という性質を持つことが分かる
第一回でのシミュレーション対象モデル
・単一待ち行列
・無限バッファ
・到着するEntity(客)が同質
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